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現代養生訓
本然一体

「冬の養生法・・・@」



秋の土用を過ぎると立冬を迎えます。東洋医学で冬は「水」を意味し、地中深くに存在すると言われています。、自然界では水がなければ育ちません。この重要な作用を体内では腎臓が深く関係しています。腎の働きは、内臓ではあまり目立たなく、地味な存在ですが、一番大切な生命の根源に関係している臓器です。
健康で人間らしい生活は、この臓腑の作用を知り、養生を基礎にしてください。
腎は静かで、人間もこの時期においては、静かに静養し、陽気の発散をできる限り消耗しないように防ぎます。自然界においても樹木は秋になり、葉をおとして枝も縮み、木の生長を少なくすることにより、発散を防ぎ根に養分を貯えようとしています。これはやがて来る春に備えゆっくりと体力を養っています。
古く冬の生活スタイルは、ワラ仕事や針仕事などを行い、体力の消耗をカバーして体力を養っていたといいます。冬に夜遅くまで仕事をしたり、酒を飲み歩いたり、体を必要以上に動かして汗を出すことは、陽気の無駄遣いをしています。
春先に、朝気分が優れず頭がぼんやりしたり、首の後ろから肩にかけて違和感のある人は、春に使う必要なエネルギーを、冬に使いすぎた時にでる症状の一つです。
一日使うエネルギーは夜に造られます。ですから先程も話しましたが、体を温めて早く寝ることが大事になります。そして足が冷えないように考え、温飲食をいただき、腎の臓腑を冷やさないように塩味も薄くして下さい。
特に気をつけなければならないのは、房事過度です。大切な生命力の源を消耗するわけですから・・・。
このように私たちは水によって生かされ、その大きな働きをしているのが腎臓であり冬の時期がこれにあたります。
また、一日で例えると夜が冬の時間帯になり、この時間帯の生活がいかに重要な養生法かわかっていただけましたか。