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現代養生訓
本然一体

「病気の原因・・・外因@」



 前回4号で、精神的作用が病気の原因に深く関係しているお話をしましたが、今回は外界の環境因子が人体に関与していることについて書きたいと思います。
四季の通常の流れは旧暦で下記表のように分けることができます。


季節 期間 季節の特徴



長夏



2月〜4月
5月〜7月
7月
8月〜10月
11月〜12月

暖かくなり始める季節。「春温」
一番熱い季節。「夏熱」
夏の中で湿度が高い季節。「長夏」
涼しさと乾燥が始まってくる季節。「秋涼」
最も寒い季節。「冬寒」

 春は気温が上昇し、空気の対流によって「風」が生まれます。そのまま気温が上昇して「暑」なり、さらに亢進すれば「火(熱)」を生じてきます。地面が暖められると気流の上昇により雨をもたらしジトジトした「湿」が多くなってきます。やがて秋になると晴天が続き、気温も涼しくなり自然界は「燥(乾燥)」になります。ますます日射時間も短くなり冬には「寒」をむかえるのです。このように1年間の季節の変化によって出現する気候の変化のことを「六気」(風・暑・火・湿・燥・寒)と呼んでいます。


(四季と六気の関係)
四季
 春温     夏熱     長夏     秋涼     冬寒   
六気 暑・火 湿

このように「六気」は万物を育てる働きがあり、人体においても生理活動を促進させるものなのです。しかし、「六気」に異常が起ったり、自分自身の抵抗力が落ちていると、これらは発病因子となり体に害をもたらすようになるのです。例えば、夏に異常に暑い日が続き体の体液を消失してしまえば、日射病や高熱を起こしますし、逆に冷夏で雨が多く日射量が少ないと、手足が冷え関節痛を起こす人もいます。また文明の発展により現代では、クーラーにより体表の水分に蒸発がおこり、体の熱を奪うので体温も急激に下がります。それが肩こりや腰痛の原因となるのです。
 これからの季節、外出先からの汗ばんだ体をこまめに拭いたり、夏でも長袖のシャツを用意し寒さを防ぐことは、現代の環境リズムに適応する大切なことなのです。