RICE処置
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概念
スポーツ外傷後、自分で処置をするのに一番重要なことが、このRICE処置です。
Rest(安静)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(拳上)
損傷を受けたらすぐに行う事が重要です。
スポーツドクターやトレーナーの予約を取るのにも何日か経過してしまいます。
↓
救急医療の対象外の受傷は
↓
ドクターに見せる前に開始すべきです。 |
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安静
受傷後はそのまま活動を続けていると、損傷を悪化させます。
最初は冷却、圧迫、拳上しながら固定が必要です。
※全身的な安静は必ずしも必要ではありません。
完全な固定だけですと
・筋の萎縮
・関節の拘縮
・心肺機能の低下
を及ぼしてしまいます。
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冷却
患部を冷すことにより、出血、腫脹、痛み、炎症を少なくする事ができます。
損傷後、冷却により最大に効果を上げるには、15分以内に行うのがいいでしょう。
アイシング方法
1、冷すもの
・氷嚢を使用する(お奨めです)
(写真1)
・ビニール袋を使用する
(水滴や破損しやすいので注意してください)
・コーヒーカップ(ポリスチロール)を使用。
(小さめのカップに水を入れ冷凍庫に幾つ
か用意」しておくと便利です。)
(写真2)
2、実際に
・氷嚢を使用する
素材によっても冷え方の違いはありますが、密接度が高く、深部まで温度を下げてくれます。
(氷は家庭用の四角い「キューブ」で十分で
す。)
氷嚢の空気を抜き、患部に密着してバンテージ(弾力性の包帯)で固定してください。
※圧迫したとき、さらに氷嚢の空気をぬくと密
着します。
・ビニール袋を使用
ビニール袋に氷を詰めましたら、底をできる限り平らにし、空気を抜いてから上をしばって下さい。
包帯などで固定する前に、患部に濡れたタオルを覆い、その上に袋を密着させてください。
・コーヒーカップを使用
水を入れて凍らせたものを取り出し、上の端を切り取ります。(2cmほど)そして一周させ切っていない底の部分を持って患部に円を描くようにマッサージしていきます。
(写真3)
3、共通の感覚
冷却しますと、すごく冷たく感じます。そのうちに痛み刺激を伴います。
だんだんと患部が温かくなり最後には何も感じない状態になります。
この状態になるのに、やせた人で約10分ほどです。太った人ですと20〜30分はかかります。
(時間より上記の感覚を参考にしてください)
□損傷の深さ、損傷のタイプにも違いますが、足関節、膝の靭帯など皮膚から浅い部位は短めに。大腿部、ハムストリングなどはやや長めに行ってください。
4、いつまで冷すか
昔は、1〜2日間行うようにいわれましたが、最近では7日間くらい有効です。
重症のものは、はじめの72時間は特に重要で、このあいだは、十分なアイシングが必要とされます。
軽い損傷は、腫れ、出血が少ないので24時間ほどで十分です。
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(写真1)
(写真2)
写真3
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圧迫
腫れを軽減するためには、圧迫が重要な要素です。
圧迫はアイシング中でも、していない時にも行われます。
足関節捻挫や膝の靭帯損傷などは、アイシング中にバンテージを使用してよく行われています。
(上記参照)
ふくらはぎの肉ばなれなどバンテージなどを使用して、圧迫を行うと効果的です。
・患部の下から行う。
・心臓の方向にらせん状に巻いていって下さい。
・はじめは均等に、そして患部はややきつめ、患部の上は徐々にゆるくしてください。
注意
皮膚の色、感覚、皮膚温を見て、神経・動脈が圧迫しすぎていないかを気をつけてください。
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拳上
患部を高い位置に保つことは、炎症を最大限抑えることができます。
・血液、体液は重力で下に下がり、患部の炎症、腫脹を増大させてしまいます。
・可能な限り患部は心臓より高い位置にしてください。
・特に下肢の損傷は、寝る時など患部を高くして、1〜3日ぐらい拳上して下さい。
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注意事項
損傷後、24時間〜72時間はお風呂、熱いシャワー、湿布、アルコールの摂取はしないで下さい。
マッサージ療法も避けてください。
RICEは応急措置です。
痛みがひどくなる場合は、すぐに専門医に診察をしてもらってください。
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