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資料館








腸内細菌
  
  
 ドイツのストラスブルゲンという細菌学者によると、健康な人間の腸内には100種類の細菌が住みついており、一日に増殖する細菌数は128兆におよぶといっていますが、これらの細菌のあるものは、人間にとって有用な働きをし、またあるものは、有害な物質をつくりだし、色々の害を与えます。これらの腸内細菌の働きに注目したのは、ソ連のメチニコフでした。メチニコフは長寿の多いブルガリアのスモーリア地方に着目し、この地方で昔から常用している「ヨーグルト(発酵乳)」が、人間の腸内で腐敗菌を取り除き、老化を防ぐ妙薬だと発表しました。
 その後、多くの人々によって免疫学的、医学的調査が続けられ、人間の腸内細菌のメカニズムについての研究もすすみ、ビヒズス菌に代表される乳酸菌などの有用性も明らかになってきました。
 ビヒズス菌には、ビタミンB1,B6、B12,ニコチン酸、葉酸などを産生し、乳タンパクや乳糖の消化を促進する働きがあり、腸内フローラの改善、便秘の改善、免疫賦用作用、抗ガン作用などの効果が認められています。
 一方、大腸菌、ウェルシュ菌などの有害菌は、食物からアンモニア、アミン類、フェノール、インドール、ニトロソアミン、硫化水素などの有害物質を産生します。これらのは通常、肝臓で無毒化されますが、毎日多くの負担をかけると肝臓で処理しきれなくなります。一部は体内を循環することになり体に不都合をきたすことになります。
そこで腸内ビヒズス菌などの有用な菌を優勢に維持することが、健康上極めて大切なことですが、ビヒズス菌などの有用菌には栄養源として利用でき、ウェルシュ菌のような悪玉菌には利用されにくいものとして、オリゴ糖が見出されました。現在までにフラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラクチュロース、ラクトスクロースなどが検討され特定保健用食品として商品化されています。

           

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